前作が壮大なプロローグで少し呆気にとられたシリーズ
アニゴジ第二章です。
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ゴジラに支配された地球を取り戻すため決死の戦いに挑んだ人類は勝利するが、地中深くから巨大なゴジラ・アースが現れ、その圧倒的な破壊力に大敗を喫する。仲間たちとはぐれたハルオは、人類の生き残りと思われるフツアの民に助けられる。やがて、彼らの武器がかつて対ゴジラ決戦兵器として開発されたメカゴジラを構成する物質と同じものからできていることが判明し……。
- シネマトゥデイ -
今までのゴジラとは違い、ゴジラによって地球を追われた地球人と同じく故郷を怪獣に滅ぼされた宇宙人が再びゴジラを倒すべく地球に戻るという近未来どころか未来的な作品になりました。
多くの固有名詞、専門用語でそのあたりチンプンカンプンだと思いますが、主人公ハルオは両親を殺したゴジラに復讐する為に戦術を編み出して移民船の皆を焚きつけました。プロローグとしか言えない怪獣惑星はハルオが高尚な言葉を用いて自身の復讐に駆り出した、と今までのゴジラシリーズからすればすごく単純な話でした。
監督は静野孔文と瀬下寛之。
静野孔文はシドニアの騎士、瀬下寛之は亜人
それぞれの監督を務めているポリゴンピクチュアズと関わり深い。
瀬下寛之はBLAME!の監督も務めている。
脚本は虚淵玄
ニトロプラスでアダルトゲームのシナリオ・監修を担当。
全年齢ではFate/Zeroの原作、まどか☆マギカの原案・脚本(複数人共有名義)、PSYCHO-PASS-サイコパス-原案・脚本、特撮でも仮面ライダー鎧武の脚本を担当。
キャラクターデザインはコザキユースケ。
現在のFE(ファイヤーエンブレム)シリーズのキャラデザを担当、
同じく3Dアニメのブブキブランキのキャラデザも担当。
ポケモンGOのキャラデザ。
ハルオ・サカキに宮野真守。
大尉。
4歳の時に地球から離れる際両親を失い、
更には22年もの宇宙暮らしに諦めの精神を受けた人類に憤りを感じている。
その原因を作ったゴジラに復讐することを目的としている。
ユウコ・タニに花澤香菜。
宇宙進出以降に生まれた日本人女性、ハルオの幼なじみ。曹長。
パワードスーツの操縦は一線級の腕前を持つ。
マーティン・ラッザリに杉田智和。
生物学者のイタリア系アメリカ人。少佐。
地球降下後、調査班で生態系の分析を行う。
アダム・ビンデバルトに梶裕貴。
揚陸艇とホバーの操縦を務めるドイツ人。少尉。
ハルオを尊敬している。
メトフィエスに櫻井孝宏。
異星人エクシフの軍属神官。中佐。
ハルオの理解者でゴジラに挑む姿勢から英雄になるべき人物と説く。
ムルエル・ガルグに諏訪部順一。
異星人ビルサイドの技術士官。中佐。
ハルオの対ゴジラ戦略の有用性を認めた人物。
リリエル・ベルベに三宅健太。
異星人ビルサイドの軍事教官。少佐。
ハルオたちの軍事教官でもあった。
ミアナに小澤亜李
フツアという種族の双子の妹
負傷したハルオを助けた。
穏やかな目をしている。
マイナに上田麗奈
フツアという種族の双子の姉。
ミアナと対象的で冷静かつ他種族への警戒心が強い。
眼光が鋭く睨んでいるのが特徴
前回のおさらいです、軽くネタバレです。
移民船は食料難から高齢者をとりあえず住める惑星を降ろし*1、新たな地へ向かおうとしたところなんだかんだ地球に戻ってきてハルオの対ゴジラ戦略に可能性を見いだし2万年経ってしまった地球に降りるわけです。
ゴジラを頂点とした世界に変貌した地球に愕然し、変貌した生物に対応していく中、ゴジラに遭遇。犠牲を出しつつもハルオたちは対ゴジラ戦略により倒すことが出来ました。
しかしそこに登場するは倒したゴジラとは比べ物にならないサイズのゴジラ。それがかつて地球を蹂躙したゴジラでした。
そして戦ったものたちは散り散りになり...
というのが前作までですね。
デカすぎて恐怖通り越して笑うしかない迫力のゴジラでしたね。
今回からのキーワードも入れておきます。
メカゴジラ
第二章のビジュアルからも登場が示唆されていた対ゴジラ兵器。
本作ではビルサイドが作り出したものらしい。
フツア
生き残った人類なのかな。
装束や双子の設定からモスラが連想されますが果たして。
ナノメタル
予告からもすごい金属っぽいのは分かる。
もしかしたらメカゴジラの素材?
とまぁ散りばめられた要素は謎ながらも、
メカゴジラだけでなくモスラも出そうで楽しみ。
というわけで感想です。
人間ドラマに焦点、生態系の覇者は誰か
今回はフツアの民に助けられたハルオたちが
更なる反撃にどう乗り出すかというところからスタート。
その流れでビルサイドの二人が、かつて建造しゴジラに破壊されたメカゴジラの残骸がまだ残っていることを突き止め、素材であるナノメタルでゴジラを倒す算段を立て始めます。
ナノメタルとはただの金属ではなく、
ゴジラに近しい細胞を持つものには毒で実際翼竜がこれで倒せます。
また自己増殖機能を持っているようで、ゴジラを倒す命令を元に環境に適応して増殖して自身がどうあるべきかを自動で判断出来るみたい。
それを持ってして巨大な都市として形成していました。
今回このナノメタルを巡って様々な種族の価値観を問う作品になってます。
ナノメタルこそ最上と唱えるビルサイド。
禍々しいものであり毒というフツア。
同じく禍々しいものと唱えるエクシフ。
その中ですごいと歓喜したり、
ゴジラを倒すのに必要なものと考えたり、
不気味に思う地球人。
地球の頂点であるゴジラに対して自らはどうあるべきか。
従来のゴジラシリーズでも常に問われたテーマが投げられました。
生態系の頂点として呼ばれたゴジラという名。
これに対し劇中ビルサイドのセリフにあった
「我々がゴジラと呼ばれる存在でなくてはならない」
人類が頂点と立つべきだからこそ、
対ゴジラ兵器にメカゴジラという名前にしたというと
ビルサイドらしい命名と言えますね。
エクシフが抽象的なで神を信仰する異星人で
ビルサイドが神など信じない合理的な異星人ですが、
今回のことはビルサイドがナノメタルを信仰する宗教臭い人種に見えることですね、面白いです。
あとビルサイドの皆さん、
みんな同じ顔に見えてわかんないです。
また前回のテーマにあった人類に絶望したハルオ
というのがあります。
生きてるのか死んでいるのか分からない移民船での生活にうって代わり、強大な力ながらゴジラ打倒の先にかつての地球に希望を見いだす人類。ハルオ自身もそれをユウコに言われたことで少しでも救われたのではないかなー。
戦闘シーンは良くも惜しい
今回の目玉の戦闘シーンは
ヴァルチャーの登場です。
前回までものものしいパワードスーツが登場していました。
他にも機動兵器はありましたが、本作で登場したのは
急にかっこよくなる!
ガ◯ダムかよってレベルのリアルロボット。
ナノメタルによって改造されたパワードスーツ。
有限の滞空程度しか出来ないVSシリーズのガンダム並だったパワードスーツが、ヴァルチャーになったことで機動性が格段にあがり飛行ユニットもついたアーマードコアかよってレベルに!コードギアスのKMFが1期から2期で飛行ユニットついてTUEEEE状態とでも言おうか(たとえが分からん場合はごめん)
とにかくこいつらのハイスピードアクションが楽しめた。
反面、残念なのはゴジラの笑うしかないレベルの恐怖は一体どこに?
といった具合でどっしり構えているので敵わない感はするんですけど、
イマイチ迫力が感じられなかったですね。
いや、今回はドラマが焦点だからいいっちゃいいんだけど。
でも前回より面白かった
怪獣惑星ではプロローグもプロローグだったし
もっと言えば地球から逃げ出すまでや、
移民船の中での絶望感を出した上で臨んで欲しかった...
という感想も書いてました。
更には次第にゴジラである意味を確立していくんだろうな、とも...
まさにその通りだった。
今回ので分かったのは新規開拓だなと。
前回はゴジラへの憎しみを感情移入させてすごく単純な動機のストーリーだなぁと思ったもので新規の人は分かりやすいな、と思いました。
そして今回、ゴジラを巡って様々な種族の価値観や生態系としてどうあるべきか、ゴジラは人類を脅かす敵だけどそんな単純な話じゃねーぞ、と。
従来のシリーズの根底に感じられる要素があったので非常に楽しめた。
個人的にもこの作品を機にゴジラの魅力を知って欲しいと思えましたね。
まぁこっから他の作品観て受け入れられるかは別だけど。
そして次回星を喰う者で登場するはギドラ...つまりキングギドラだよね。
更にはフツアが神と言っている...まぁモスラ。
このあたりが登場して三大怪獣大決戦的な盛り上がりを期待したい。
ここでアニゴジの評価が分かれますね。
しかし、ビルサイドがこんなだと
やっぱりエクシフも胡散臭いなぁ...
ゴジラに出てくる異星人や未来人は大抵胡散臭いので。
とはいえ、一緒に移民してた人類同士で利用しあったりするんだろうか。
そして今となってはサブタイトルカッコいい...
満足度:★★★★★★★☆☆☆(7/10)
こうなったら少し期待が出てくる、次回が楽しみ。