今月も洋画の鑑賞率低いなぁ。
それだけ邦画が好調なのか...洋画はシリーズものとか多いからな。
独立して注目するタイトルとか欲しいです、うん。
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大学の研究施設の違法生物兵器「K-55」が盗難に遭い、さらに国民を人質に身代金3億円を用意するよう脅迫メールが届く。残された時間は4日間、主任研究員の栗林和幸(阿部寛)はひそかに兵器を探索するという任務を依頼されるも、手掛かりはゼロ。そんな折、犯人死亡というまさかの事態にぼうぜんとしながらも大惨事を回避すべく、犯人の遺品をヒントに国内屈指の規模を誇るスキー場へと向かう。
- シネマトゥデイ -
東野圭吾原作スキー場シリーズ。
原作読んでないから知らないけど白銀ジャックという作品がこの作品の前に発表されています。何人か共通のキャラクターがいるんだけど、舞台のスキー場が異なるのにそれぞれそこに勤めている設定の人がいるんだよな...
ということで人物紹介といきます。
栗林一幸(阿部寛)
医科学研究所の主任研究員。
ひそかに生物兵器の回収を命じられスキー場へ赴く。
スキーは下手。
根津昇平(大倉忠義)
スキー場のパトロール隊員
元プロスノーボードクロス選手。
瀬利千晶(大島優子)
プロスノーボードクロス選手。
試合で上手くいかず根津の元に来ている。
栗林秀人(濱田龍臣)
一幸の息子。
母親はおらず、父親の一幸と二人暮らしでギクシャクしている。
スノーボードにはまっている。
謎の男(ムロツヨシ)
ドドメ色の帽子を被った謎の男
スキー場に来た栗林を執拗に追う。
千晶いわくドドメ色
葛原克也(戸次重幸)
医科学研究所の元研究員。
ワクチンを作るはずが生物兵器を作り出したことで所長に解雇される。
それを逆恨みして所長を脅迫したが交通事故で死亡。
東郷雅臣(柄本明)
医科学研究所所長
脅迫メールを受け取り、事件を隠蔽しようと画策する。
その為に、栗林に生物兵器の回収を命じる。
本作は軽く群像劇というくらい様々な都合の登場人物が登場。
他にもスキー教室に通う地元の中学生や、娘をインフルエンザで亡くし原因である中学生を恨んでると噂される母親など脇役の割に特徴的な登場人物たちがいます。
忘れてはならないのが、栗林のスキーの腕前に「おじさん、下手くそ!」と罵る幼女。地味にキーキャラクター。
東野圭吾作品といえば、ガリレオシリーズの変人湯川教授の独特な空気と科学的アプローチから導き出される推理、映画化されたプラチナデータのように現代におけるSF要素を加えたサスペンスなど様々な作品があります。ガリレオシリーズの映画である容疑者Xの献身や真夏の方程式は科学的観点ばかりの湯川教授から人の感情的な部分に重点をおいた展開を映像化出来ていて楽しめました。
本作はかなりコミカルな内容になっているようです。
なお、スキー場シリーズ3作目雪煙チェイスが11/29発売しました。
サスペンスだけど軽く観れちゃう まさに狙った笑撃サスペンス!
全体的にシリアスなんてないも同然なサスペンス作品。
栗林は優秀な研究員であるはずが、ダメダメな要素しか抽出されず終盤までどうしようもないキャラクターですが憎めないコミカルなキャラクターを阿部寛が演じ、大倉忠義演じる根津と大島優子演じる千晶がシリアスパートをこなしていくどっちがメインか分からない温度差。
物語の展開もオチまでは読まないけどこの登場人物はこの為にいるな、とか思えてそれが予想通りだとクスっときてしまうのは良かった。この作風はむしろ、ミステリーやサスペンスを重点においているのではなく、それらを要素とした人の織りなす群像劇をメインに据えている感じがします、今となっては。
またムロツヨシ演じる謎の男も、演じる人が演じる人なのでコメディ色しかない。
彼はある目的の為に栗林とその周辺を探っているのですが、あの気の抜けた演技が緊張感をなくしてしまう。ヒメアノ〜ルでもそんな感じでしたね。なんか憎めない感じも。
他、2000年生まれのいわゆるゼロ年代が多く登場した作品でした。
主にスキー教室に通う中学生たちや、栗林の息子である秀人役の濱田龍臣などですね。
濱田龍臣は当時15歳ながら、うざったく思っている父親に対する目つきとかマジで蔑んでますね、年頃だからかもしれない。
本作はスキーやスノーボードで滑走するシーンもあるのである程度滑れないといけないわけですが、結構滑れるんですね。ぼくもスキーはやってましたが、初めてスノボで滑った日なんか全身筋肉痛になるほど一日滑ったけど上達した気がしないです。あれ代役とかじゃないよね?
笑いのシーンはいかにも。
上手く滑れてる人は滑れてますが、阿部寛なんかはスキーが下手な役なのでその割には滑れてる人の演技だなって思ってしまった。こけ方わざとらしいしなぁ...勢い良く滑ったシーンなんかはそういうフリだなぁ...と。
パンフレット読んで気付いたんですが、予告編にもある穴に埋まるシーン...スキーでそこまで来たのに履いてるの普通の靴なんですよ、たぶん。監督もそういう作品なんで良いと言ってるらしい。
そう思うと結構突っ込みどころが映像で表現していると思うんです。
原作読んでないので矛盾などの突っ込みはできませんが、少なくとも映像化したところで突っ込みどころは満載...のはず。
撮影にも編集にもこだわった大島優子VSムロツヨシは必見!
疾風ロンドというからには風を切るような滑走がないと!
と思ったあなたにはこのシーンは観て欲しい。
大島優子とムロツヨシのゲレンデの戦いを観ることが出来る。
小学生の頃からスノーボードに慣れ親しんだ大島優子と頑張ってスキーの練習したムロツヨシ、その戦いを地元スキーヤーがウェアラブルカメラで追う形で撮影。
追って追われては勿論だが、スキーのストックでの剣劇は馬鹿らしくも一手一手を見せる撮影・編集はここがやりたかっただけ、と思わせるくらい力が入っている。
というかコミカルシーン以上にここだけ記憶に残った。
原作者の東野圭吾は趣味でスキーがこうじてスキー場を題材とした作品を書いている。
彼自身もスノースポーツの普及にと書いているようだが、以上のようにスノースポーツの楽しさをアピールするような制作側の意図も取れる。自分で滑ることでの疾走感や、撮影しながら滑るなどの遊びも伝えている。加えて滑る人の視線で観ることが出来るのも一つの体験ではなかろうか。
そういう意味では中学生の(ゲレンデでの)活躍に割けたら若い人に伝えられはしないだろうかと思った。