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アニメリブート第2弾!
ゼロ年代で一番ハマったアニメ作品が登場。


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皇歴2017年。日本は神聖ブリタニア帝国によって支配され、地名はエリア11、日本人はイレヴンと呼ばれていた。人質だったブリタニア帝国の皇子ルルーシュは戦後正体を隠してエリア11で暮らしていたが、謎の少女C.C.と出会い、絶対遵守の力“ギアス”を手にする。力を得たルルーシュはブリタニアに復讐(ふくしゅう)するため、反逆者ゼロとしてレジスタンス・黒の騎士団を率い……。


- シネマトゥデイ -



2006年にTVオリジナルアニメとして展開した
「コードギアス」シリーズ。
そのメディアミックスのメインとなったのが
「コードギアス反逆のルルーシュ」です。
当時現実と同年代の別の歴史を歩んだ世界で、
国に捨てられた皇子ギアスという特殊能力を得たことを機に
神聖ブリタニア帝国に反旗を翻すピカレスクロマン作品。
ナイトメアフレーム(KMF)というロボットが登場するものの、主人公のルルーシュは戦術ではなく戦略と命令を強制出来る絶対遵守の力、ギアスを用いて戦うという異色作。
TVアニメ当時はブリタニア=アメリカで植民地と化したエリア11=日本が反抗するという当時は挑戦的だなと思う構図と予想だにしない展開が楽しみでした。


また、娯楽作品ではありながら、9.11テロ以降の非対称戦争の要素を盛り込み、政治的・社会的な色合いも強い作品。


なお2015年に関連作品である「コードギアス亡国のアキト」の最終章が公開されています。こちらはTVアニメの1期と2期であるR2の間のヨーロッパ方面のユーロピア共和国連合とユーロ・ブリタニアの対立にフォーカス。E.Uに属するイレヴン部隊を中心に描いた作品です。



今回これらの三部作再編集作品が開始。
これに続く続編「復活のルルーシュ」プロジェクトを前におさらいしようぜ。
というのが本作になってます。
新規カットも多数あるみたいなので楽しみではあります。


監督・ストーリー原案は谷口悟朗
この人が関わる作品は突然が人が死ぬ、と定評のある人物で作品が発表されたら「谷口が監督なら何があってもおかしくない」「メインキャラが死ぬとかやりかねない」と言われる程。*1
実際本作品においてフラグも立たず退場するキャラクターが相次いだ。
代表作品は無限のリヴァイアス、スクライド、ガン×ソードなど。


脚本は大河内一楼
少女革命ウテナの小説を執筆して小説家デビュー
その後∀ガンダムの脚本を機に、数多くのシリーズ構成・脚本を担当。
本作シリーズではストーリー原案としても携わっている。


主演のルルーシュ・ランペルージ役は福山潤
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア
という名の新生ブリタニア帝国の第11皇子。
幼少時に母マリアンヌを謀殺され、妹ナナリーと共に人質として日本に送られた。
ギアスを手に入れてからはゼロという仮面の男を名乗り祖国に反旗を翻す


C.C.(シーツー)役はゆかな
年齢不詳の不老不死の魔女。
一つ願い事を叶えることを条件にルルーシュギアスを発現させた。
以降共犯者として行動を共にする。


枢木スザク役は櫻井孝宏
日本最後の内閣総理大臣ゲンブの息子。
幼少時にルルーシュ、ナナリーとは親友となるが戦後離ればなれに。
ルルーシュとの再会時には名誉ブリタニア人として軍人となり、特別派遣嚮導技術部に異動してからはKMFランスロットのデヴァイサーとなり、ゼロ=ルルーシュの最大の敵となる。


他キャスト陣は以下の通り。


カレン: 小清水亜美
ナナリー: 名塚佳織
シャーリー: 折笠富美子
ミレイ: 大原さやか
リヴァル: 杉山紀彰
ニーナ: 千葉紗子
シャルル皇帝: 若本規夫
シュナイゼル: 井上倫宏
カノン: 三戸耕三
ロイド: 白鳥哲
セシル: 井上喜久子
コーネリア: 皆川純子
ユーフェミア: 南央美
ダールトン: 梁田清之
ギルフォード: 幸野善之
クロヴィス: 飛田展男
バトレー: 宝亀克寿
ジェレミア: 成田剣
ヴィレッタ: 渡辺明乃
ディートハルト: 中田譲治
扇: 真殿光昭
玉城: 檜山修之
南: 加瀬康之
咲世子: 新井里美
ラクシャータ: 倉田雅世
藤堂: 高田裕司
朝比奈: 私市淳
卜部: 二又一成
仙波: 島香裕
桐原: 辻親八
神楽耶: かないみか


 


実は総集編は一度出ているんですね。
1期をまとめたブラックリベリオンとR2をまとめたゼロレクイエム
こちらはガンダムシリーズでよくあるスペシャルエディションと呼ばれる位置づけでした。それを三部作の劇場版と呼ぶくらいなので新規カットを増やすにしてもどうなるか。



前回紹介したエウレカセブンような編集になるか、否か。
実際ハードル下がったのでいいバランスになると踏んでます。


 


 


 


 


 


 


では感想にいきましょう。


 


 


 


 


 


 


もはや総集編ではない!改変を起こした新生コードギアス


正直言い過ぎた。
けどそう言っても良い程135分に収めた作品になっている。
ネタバレも含めて言ってしまうと、この興道ルルーシュゼロとして黒の騎士団を率いてスザク救出、ナリタ連山の戦いを経て最終的に作戦の邪魔をしてきた白兜(ランスロット)のデヴァイサーが親友のスザクであったことが分かるまでのストーリー。


そこまでのストーリーをうまくまとめたな!と言える。
序盤のシンジュクゲットーの戦いを丁寧に描きながら、容疑者スザクの救出にナリタ連山の攻防、厳島の奇跡と呼ばれた日本解放戦線の藤堂鏡四郎の救出を主に描いている。


 


また新規カットも随所に組み込まれており、
ルルーシュの母親、マリアンヌの政略的謀殺を経てルルーシュと妹ナナリーが人質として日本に送られる際、見送るダールトンジェレミアコーネリアと言った騎士侯マリアンヌを慕う者達の姿は印象的だった。同じく見送るユーフェミア他兄弟達を見て、誰が誰か調べて行きたい所存。


再編集して限定した尺に抑えているので
必要なのはルルーシュのナナリーの願いを叶えるという動機の元に世界を変える行動に出たので友人ながら対立することになるスザクや、黒の騎士団のメンバー、ブリタニア勢力との関係が中心になっています。
しかし見逃してはならないのが、スザクとカレンのデヴァイサー同士の構図。ナリタ連山での新型同士の邂逅を見ていると終盤での対立を思えば感慨深い。
また、多くのヒロインらしいのがいる中でC.C.との関係が色濃く出ているせいか新規カットにらしいものがないのにヒロイン感が増している。


もう一つ注目したいのがアフレコ録り直し
エウレカセブンでも録り直していますが、こちらでは新たなアプローチで声を吹き込んでいるのが分かりやすいほどに出てます。特に脇役のメンバーははっきり出ていますね、クロヴィスは子どもっぽさが抜けてるし、ロイドはテンションの振り幅が大きくなった。「おーめでとー!」なんかは特にトーンが高い。
一方でルルーシュやスザクは調子は変わらないがなんとなくイントネーションやテンポが変わった場面を感じ取れた。
こう振り返るとしっかりセリフ聞いてたんだな、自分。


一番の懸念だったアスペクト比の問題。
と思っていたんですが、どうやら1期地上波は4:3でしたが元々HD制作でDVD/BDでは16:9の映像だったようですね。このあたりに編集の心配はなかったというわけだ。


改めて気付くギアスの構成


どうしても再編集となると見せ場を重視しつつもストーリーの流れに違和感を作ってしまう印象があります。なのに、この作品において違和感はあまりなかったです。
あったと言えばスザクとユーフェミアの邂逅くらいでしょうか。
皇女だとバレるのは良いとしても空から降ってくるところまでに余裕が欲しかった。


覚えて欲しい要素はうまくまとまっていたんじゃないかと思います。
特に帝国民とイレヴンの確執は重要な要素です。これによって彼らの行動原理が変わります。イレヴンは名誉ブリタニア人となっても迫害を受ける立場であり、互いに嫌悪する者もいます。
特にスザクのアッシュフォード学園転校の際はブリタニア人の反応が分かりやすく、恐れるものや嫌悪感を抱くニーナ、旧友であるナナリーなど分け隔てなく接する差異など見られる。


逆に省かれた点といえばマオのエピソード
ルルーシュ同様、C.C.が与えたギアスでルルーシュに敵対する人物として登場しましたが、一切触れない。そこに関わってくるシャーリーの行動もなかったことになり、代わりの人物が行動を起こします。
結果的にシャーリーの設定が改変していますね。
このあたりまだ、どうなるか分からない。


次にスザクアッシュフォード学園に転校したけど
仲良くなったのはルルーシュナナリーだけ。
生徒会メンバーとの絡みは皆無です。
カレンは生徒会入りした描写が入ってます。
スザクに関しては確かに絡みがなくても進められそうですが、
少なくともカレンとの絡みは欲しいですね...。


第二部への期待


第一部がここまでとなると第二部がどこまでやるのか気になります。
1期の内容までなのか、R2に踏み込むのか。
亡国のアキトの回想とか突っ込むのだろうか(主にジュリアスとスザク)
改変部分もどう折り合いをつけていくのか気になるところ。


無難ともいえる構成でもありますが、
ルルーシュの物語とすればこれで普通の順序で語られているので
十分だし、次作にも期待がもてそう。


 


満足度:★★★★★★☆(8/10)


総集編っぽいとはいえ飽きずに観れるのは大きいですね。


 


 




*1:それもあってファンタジスタドールでは自分から「この作品は人は死にません」と発表時に釘を差した。