さて再編集の劇場版三部作最後の1本です。
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世界最大の国家・神聖ブリタニア帝国と黒の騎士団が激突する中、ルルーシュ=仮面の男ゼロは計算外の事態に戸惑う。一方、第2皇子のシュナイゼルが黒の騎士団に接触し、ゼロの秘密を扇や藤堂らに明かす。戦乱は激化の一途をたどり……。
- シネマトゥデイ -
10周年を記念し、続編復活のルルーシュに続く
総集編(と題したなかなかの改変)を三部作で展開しています。
本作は帝国からエリア11(旧日本)に追いやられたルルーシュが妹ナナリーの願う優しい世界を作る為に仮面の男ゼロとして帝国に反旗を翻すピカレスクロマン。
監督・ストーリー原案は谷口悟朗。
脚本は大河内一楼。
このあたりのスタッフや作品のコンセプトなどは
前回のレビュー読んでください
言うこと一緒なんでね。
主演のルルーシュ・ランペルージ役は福山潤
ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという名の神聖ブリタニア帝国の第11皇子。
幼少時に母マリアンヌを謀殺され、妹ナナリーと共に人質として日本に送られた。
ギアスを手に入れてからはゼロという仮面の男を名乗り祖国に反旗を翻す。
C.C.(シーツー)役はゆかな。
年齢不詳の不老不死の魔女。
一つ願い事を叶えることを条件にルルーシュにギアスを発現させた。
以降共犯者として行動を共にする。
枢木スザク役は櫻井孝宏。
日本最後の内閣総理大臣ゲンブの息子。
幼少時にルルーシュ、ナナリーとは親友となるが戦後離ればなれに。
ルルーシュとの再会時には名誉ブリタニア人として軍人となり、特別派遣嚮導技術部に異動してからはKMFランスロットのデヴァイサーとなり、ゼロ=ルルーシュの最大の敵となる。
ここに来て重要な役所
シャルル・ジ・ブリタニアに若本規夫
ルルーシュ他、登場する皇子・皇女の父にして98代皇帝
叛道において記憶を操作するギアスを持つことが判明。
そして兄であるV.V.のコードを奪い不死身の存在。
シュナイゼル・エル・ブリタニアに井上倫宏
第2皇太子で帝国宰相。
ルルーシュを凌ぐ政治・軍事力策略を持ち次期皇帝に一番近い人物。
ロイドが統括していた特別派遣嚮導技術部ーー特派は彼のお抱えの組織。
ゼロに興味を持つ他、シャルルに不信感を持っている。
他キャスト陣は以下の通り。
カレン: 小清水亜美
ナナリー: 名塚佳織
シャーリー: 折笠富美子
ミレイ: 大原さやか
リヴァル: 杉山紀彰
ニーナ: 千葉紗子
カノン: 三戸耕三
ロイド: 白鳥哲
セシル: 井上喜久子
コーネリア: 皆川純子
ギルフォード: 幸野善之
クロヴィス: 飛田展男
ジェレミア: 成田剣
ヴィレッタ: 渡辺明乃
ディートハルト: 中田譲治
扇: 真殿光昭
玉城: 檜山修之
南: 加瀬康之
咲世子: 新井里美
ラクシャータ: 倉田雅世
藤堂: 高田裕司
朝比奈: 私市淳
卜部: 二又一成
仙波: 島香裕
桐原: 辻親八
神楽耶: かないみか
天子: 須藤沙織
星刻: 緑川光
前回の叛道では
スザクの視点でゼロを捕え、
正体がルルーシュであることに悩みながら
自身の「帝国の内側から変えていく」という信念に基づいて行動しました。
またストーリーを省く意味なのか、
新規へのアプローチなのか、
捕われたルルーシュのあと復活したゼロは何者なのか、
中盤まで分からない演出はスザクの視点ならではでした。
スザクへのヘイトもなるべくマイルドになり、
TVアニメ本編では散々な悲劇のヒロイン、シャーリーも
何事もなく...むしろルルーシュとの進展もなく、
このまま大団円を迎えるのか、否、谷口監督がそんな生易しい...な、
なんだお前はっ...なにをsr...やm(ry
ということで感想に参りたいと思います。
正直言うと無難にまとまり、感動しました。
そう言っちゃうと奇をてらってなくてよかった。
と捉えられますが、単純に感動するのは分かってたからね。
3章はですね、帝国のエリア11の総督であるナナリーを取り戻す為にルルーシュはゼロとしてではなくルルーシュ個人としてナイト・オブ・セブンのスザクに会いにいくところから始まります。
既に復活したゼロがルルーシュであることがスザクにはバレている状況、しかし黒の騎士団という駒がいてもなかなかそれが叶わないとなると頼るべくは敵であろうとスザクしかいなかったわけです。
ここからシュナイゼルの介入により
更にルルーシュとスザクの関係は悪化、
スザクが受けた「生きろ」というギアスによって窮地から助かる為にフレイヤ*1を使ってしまいます。これを機にシュナイゼルは言葉巧みに黒の騎士団を取り込み、ルルーシュを孤独に追い込んでいきます。
そこからの構図は本来の目的であるシャルル皇帝との対決。
そして、シュナイゼル、ナナリーとの対決になっていくわけですね。
大筋に変化はありませんでした。
特に極端な改変はないけど、
セリフや戦闘シーンが変更されているところは見受けられました。
なのであの展開にいくのが分かっていながらも
やっぱり泣けてしまうのでした。
加えて録り直したアフレコは聞いていて結構違う。
多分一気に駆け抜けるからこそアップダウンが激しいなぁ
と思える演技だったと思うんですがいかがでしょう...。
注目は親子ゲンカと最終決戦
この3章で注目すべきシーンが相当詰まっています。
それが以下の3つ
- 盛大な親子ゲンカ
- 最終決戦
- ゼロレクイエムの終演
親子ゲンカですが、
ルルーシュに立ちはだかる最初の動機、父シャルルとの決着。
ゼロの正体がバレて諦めていたところを殺すつもりでいたロロに助けられ立ち上がったルルーシュ。TVアニメ本編ではロロそこまで好きじゃなかったけどこのシーンはやっぱ泣ける。
黒の騎士団という駒を失ってもブリタニア、シャルルとの決着だけは、と半ば心中みたいな行為。そこからシャルルの目的を知ってそれを否定する舌戦。
ダモクレスの最終決戦
ルルーシュ率いる新生ブリタニアとシュナイゼル率いる反乱軍。
この構図は表向き独裁で統治するルルーシュと
フレイヤで抑止し、恐怖というシステムで管理しようとするシュナイゼル。
民衆はルルーシュよりはマシだから
シュナイゼルに従うというのが大体の意見、黒の騎士団もそれに従います。
まずはフレイヤ無効化作戦、
ここでモザイクカケラが流すのはニクい!
歌詞の内容よりは盛り上がり方が良い。
ダモクレス突入からはTVアニメより各々の対立の構図が
はっきりしたシーンになりました。
オレンジことジェレミアとナイト・オブ・シックスのアーニャ、
ナイト・オブ・ゼロとなったスザクとナイト・オブ・スリーのジノ、カレン、
そして悪逆皇帝ルルーシュとシュナイゼル、それを認められないがゼロであり私利私欲のルルーシュを止めようとする妹ナナリー。
この3つの構図は平行で話が動いていて重層感が増します。
そしてゼロレクイエムの終演
ほとんどそのままのシーンだったと思いますが、
綺麗に話を締めた良いシーン。
ルルーシュとスザクの真意が判明し、
それに気づいたナナリーという画は涙なしでは観れないですね。
ツッコむほどじゃないけど気になるところ
約束の花火とは
TVアニメでは生徒会のみんなでもう一度花火をあげよう、というルルーシュの叶わないかもしれない切実な提案が学園パートであるんですけど。ないにも関わらず、リヴァルとの電話で「無理かも」とか...いやいや、そもそもそんな話どこにも...。
ちなみにピクチャードラマで本編後にルルーシュの企みによって、ルルーシュを除く生徒会メンバーが集められ花火を拝むというエピソードがあります。
言って欲しかった「さあ、民主主義を始めようか」
超合衆国加入決議に出席したルルーシュが本来加入代表者の討議によって決議する場で代表者を脅迫して決議させるシーン。
ギアス対策で色々やるんですけど劇場版では相当端折られた上に、このセリフがなかったので非常に残念。あれ、名言やろ。
シャーリーはどこに向かうのか
2章までルルーシュの渦中に飛び込もうにも入れなかった彼女。
そもそもTVアニメでは飛び込もうと外堀から入ろうとして酷い目に合っていた彼女が最後どうなるかに注目していましたが...これは一体どこへ向かう...。
改変と停滞、そして最後の無難
第1章は予想を超える良い意味での改変。
第2章はスザク視点の試みと心情、残念な駆け足感、
そして3章は極端で大掛かりな改変や新規カットは目立たない...
目立たないが!
そして無難な話運びだったが!
良いシナリオを演出で更にブラッシュアップして
濃い内容に仕上がったと感じています。
気になったのは新規の挿入歌ですが、全体的には気にならない、うん。
TVアニメは30分の尺で
大体驚きかつショッキングな引きで終わり、
翌週に続く作品で毎週ヤキモキさせてた作品が
劇場版になったことでよりアップダウンの激しい作品になったと思います。
これは復活のルルーシュも楽しみ...。
なんかもっと言いたいことがあったけど
失敗ではないと思った安堵で吹っ飛んでしまった...。
まぁ好きな人はぜひ。
満足度:★★★★★★★☆☆☆(7/10)
3部作全体の満足度としてもこのあたりですね。
まぁあくまで再編集された劇場版ですので。