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ゴジラファンなら観る他ない!
ミレニアムシリーズは観てないけどね。


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突如出現した怪獣たちと彼らを倒すパワーを持つゴジラを相手に戦ってきた人類だが、次第に力を失い地球を脱出しようとする。人工知能によって選別された者たちが恒星間移民船・アラトラム号でくじら座タウ星eにたどり着いたが、そこは人類が生存するには過酷な環境であることが判明する。アラトラム号に乗る青年ハルオは移住の道が閉ざされたのを機に、地球に帰還して両親を殺した敵でもあるゴジラを倒そうと決意。長距離亜空間航行で2万年の歳月が流れた地球に戻るが、地上の生態系の頂点にはゴジラが位置していた。


 - シネマトゥデイ -



モンスターバースを始めたGODZILLA[2014]に始まり、
日本のゴジラとして最高の回帰を果たしたシン・ゴジラ
それから1年の時を経て公開されましたのが3Dアニメーションで描かれる新たなるゴジラ、GODZILLA 怪獣惑星
監督、脚本、アニメーションスタジオ全てが注目の要素となっている本作。


監督静野孔文瀬下寛之
静野孔文シドニアの騎士瀬下寛之亜人
それぞれの監督を務めているポリゴンピクチュアズと関わり深い。
瀬下寛之BLAME!の監督も務めている。 



脚本虚淵玄
ニトロプラスでアダルトゲームのシナリオ・監修を担当。
全年齢ではFate/Zeroの原作、まどか☆マギカの原案・脚本(複数人共有名義)、PSYCHO-PASS-サイコパス-原案・脚本、特撮でも仮面ライダー鎧武の脚本を担当。


キャラクターデザインコザキユースケ
現在のFE(ファイヤーエンブレム)シリーズのキャラデザを担当、同じく3Dアニメのブブキブランキのキャラデザも担当。ポケモンGOのキャラデザもそうか...。何を観てもFEの印象が強いですけど、まぁ慣れましたね。


ハルオ・サカキ宮野真守
大尉。
4歳の時に地球から離れる際両親を失い、更には22年もの宇宙暮らしに諦めの精神を受けた人類に憤りを感じており、その原因を作ったゴジラに復讐することを目的としている。


ユウコ・タニ花澤香菜
宇宙進出以降に生まれた日本人女性、ハルオの幼なじみ。曹長。パワードスーツの操縦は一線級の腕前を持つ。


マーティン・ラッザリ杉田智和
生物学者のイタリア系アメリカ人。少佐。地球降下後、調査班で生態系の分析を行う。


アダム・ビンデバルト梶裕貴
揚陸艇とホバーの操縦を務めるドイツ人。少尉。ハルオを尊敬している。


エリオット・リーランド小野大輔
地球降下作戦の隊長であるイギリス人。大佐。野心家でこの作戦を機に権力を収めようとする。


メトフィエス櫻井孝宏
異星人エクシフの軍属神官。中佐。ハルオの理解者。


ムルエル・ガルグ諏訪部順一
異星人ビルサイドの技術士官。中佐。ハルオの対ゴジラ戦略の有用性を認めた人物。


 


主要なキャストは以上です。
軍部上層部の人たちも多くいるのですがあまり出番のない人たちなので。


では感想にいきます。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


本質を踏まえた新たなゴジラの誕生


一言でいうと普通だった。
まず一番重要なネタバレは伏せた上でこの作品は壮大なプロローグだな、と思ったのが本音でこの作品だけではゴジラである必要を語れないな、と思った次第。
そのあたりは設定を観てみると必要性に関しては深まったので後述します。


それとこの作品はゴジラ全然知らない人でも
シドニア・亜人を手がけたスタッフ好きでも
ガチのゴジラファンでも
観る事の出来る作品だと思いましたね。
問題は設定前提の物語であったことですね。


あとSFファンもかな...固有名詞だらけで
考察の仕様があるかは定かではありませんが
未来の技術としてある前提なら考察し甲斐がありそう。


序盤は人類が宇宙に出た経緯がモノローグで語られ、
主人公ハルオの人となりを語る部分に注力されています。
ここでは宇宙に逃げた人類がどれだけ絶望し、諦めて、どうしようもない存在に成り果て、ハルオが憤りを見せているかが描かれます。原因がゴジラにあると対ゴジラ戦略を練り出しています。
モノローグの映像にはちょこちょこ過去登場した怪獣が出て来たり、今後に膨らみそうなキーワードが埋め込まれていてそこは楽しいです。
なによりメカゴジラが一応作られていたところは注目ですね。
一応前日潭として小説で描かれているので気になりますね。



そこからは一気に地球に帰ってきて(といいつつここまでが長い)
ゴジラが生きていることが分かってハルオ対ゴジラ戦略の下、対ゴジラ部隊が編成されて戦って行くことになります。
登場人物に宇宙人がいるので今までの人類対ゴジラとは異なり
かなり未来的な兵器が登場するので(考察出来る要素があるか定かではないが)SF的要素を多く含めた戦略・戦術が駆使されていきます。


正直虚淵玄っぽいシナリオかと言われれば
ところどころ?復讐劇という意味ではっぽいし、地球人宇宙人が共存する社会構築を掘り下げるならっぽい気もするけどゴジラないがしろになるので視聴者に考察させる程度に臭わせているだけな気がします。
社会構造に地球生まれと宇宙船生まれそれぞれの世代があって、異星人の宗教など様々な思想が渦巻いているあたりはそれっぽい気がします。
ゴジラに関しては今回で語るには落ちないほど謎を残している気がします。絶対に地球人なり異星人なりが怪獣出現に絡んでいて色々どんでん返しとかするんでしょう...
3部目あたりで。


新たなゴジラ考察


ゴジラとは一貫して人類の傲りや業、社会的行為に対する警鐘・風刺あるいは時事的なものをテーマに破壊行為を行ってきました。


初代ゴジラは戦後間もない時期で原爆の恐怖や世界中で行われた水爆実験の情勢から反原爆水爆として描かれたものです。それに続く昭和ゴジラのシリーズは時代情勢を反映しつつ怪獣プロレスというエンタメを色濃く描いて行きました。
リブートされて初代ゴジラを残しつつ数十年ぶりに出現したゴジラとして描かれた84年版ゴジラに続く平成ゴジラと言われるVSシリーズは当時の冷戦による核抑止非核三原則環境破壊などより分かりやすいテーマに置き換えて描いていました。
更にリブートされたミレニアムシリーズはゴジラを一つの災害と捉えたテーマでした。昨年公開されたシン・ゴジラはミレニアムとはまた切り離されていますが東海大地震を意識して東京にゴジラという災害が現れたら...という想定の元に作られた対ゴジラシミュレーション作品でした。
そんな人類の敵ながらも新たに世界を破壊する怪獣を倒してくれるヒーロー(というのは憚られるが)の側面もあり特撮ファンだけでなく子ども達にも大きな憧れがありましたね(小学生だったカミキユキ談)
そしてゴジラの起源も作品で異なり、初代のゴジラがそのまま生きていたものから同種のもの、VSシリーズに至っては別でゴジラザウルスが水爆実験により誕生、シン・ゴジラに至っては太古の海洋生物の生き残りが投棄された放射性廃棄物を大量摂取したことにより突然変異したという設定。
モンスターバースゴジラ(2014ハリウッド版)は生態系の頂点に属し、世界のバランスを保つ為に出現するという神にも等しい設定が与えられています。水爆実験は初代と反してゴジラを倒すことを目的にしていました。


本作のゴジラは今までのゴジラとは一つも繋がりはなく、植物を起源に進化した超生物。40メガトンの核弾頭も効かず、電磁波を吸収する性質を持っている為レーダーによる探知が出来ないなどとんでも設定。
体長もシリーズ史上最大だそうです、現状最大のシン・ゴジラ118.5メートルを越えるということですね。どんどんでかくなるなぁ。ちなみにゴジラの体長が大きくなっていく変遷は時代に合わせて建物が高くなっていくので迫力があるように合わせているのだとか。


そして植物を起源というところ、
これが今までのゴジラに共通する本質につながる部分なんでしょうね。


本編で一言も言ってないけど!


また本編で分かってくる事実ですが、
攻撃が効かないカラクリにはゴジラのある特徴が鍵を握っています。
それがハルオの策なのですが...。


前半は冗長、後半の戦闘は迫力満点!そしてラストに...


正直いうと地球に降り立つまではゴジラ観に来た人にとっては退屈でしょうがない。ぼくはこの時点で一つのアニメ感覚まで落ちてましたけど。
幼少の頃人間ドラマなんて知るかとばかりにゴジラの登場を今か今かと待っていた頃をまさか大人になって味わうとは思わなかった。


キャラクターの背景も主人公ハルオ打倒ゴジラ!絶望人類!
みたいな印象で他のキャラクターはあまり掘り下げられてない。
なんとなく現場の人間は彼に惹かれているという状況は読めるんですが...。
最大の理解者である異星人エクシフメトフィエスなんかは達観しているがゆえに読めないし、というか謎キャラを演じる櫻井孝宏は読めなくていい
途中からハルオを見てると宗教臭いなと思うところもある。彼は軍を指揮する者としては資質は足りない的なことをいいますが、この人政治家の方が向いてるんじゃないか


しかしゴジラが登場して倒すしかない!という状況になると
すごく盛り上がって行きます。
それまでの人間ドラマのことなんか忘れるくらいに。
エアバイクのようなもので誘導して揚陸艇で派手に砲撃してパワードスーツでなだれ込む...アニメだからこそ出来るSFガジェットのオンパレードとスピード感のあるバトルは素晴らしかったですね。


そしてラストのゴジラ衝撃波尻尾の一線
もうね、笑った...とんでもない恐怖の前には笑うしかない
過去のゴジラでもそうだけどゴジラでこう思わせてくれたら十分な出来なんですよね。
怪獣映画の指標はこれに尽きる。
とはいえ全体的に観ると傑作とは言えない


あとモヤモヤが微かにラストまで残ってたんですけど
それってゴジラ登場からずっと感じていた違和感だったんですね。
パワードスーツでとりつくシーンでそれが最高潮でした。
その理由が最後の最後で分かりました。
ハルオたちが戦ってたゴジラって...。


まだ三部作の一つなので


実は前情報にあった三部作ということ知らなかったんですね。
観終わったあと壮大なプロローグ(言いたいことは分かるけど長い長いモノローグ、プロローグの中に更にプロローグを織り交ぜたような、描く予定だったけど長過ぎなので回想で済ませましょう的なそんな...。宇宙に出るまでの話やってゴジラへの絶望感際立たせて今回の話にすれば良かったそんな話)だったな、と思うそんな作品。


先に話したけど植物を起源とするゴジラ
というとモンスターバースのように神の化身的なポジションなんだろうな、と思う設定にとりあえずゴジラの人間の業に対する警鐘とかそういう本質的なものは捉えているんだな、とあとから分かったり。
アニメだからこそ描ける迫力の戦闘シーンゴジラの熱線衝撃波尻尾アタックに至る圧倒的な存在感はゴジラである意味はまぁ見いだせたかな、と。


加えて三部作の1本目なので
次にメカゴジラ出てきそうだし少し楽しみですね。
そういう意味では三部作全部ゴジラに対するアプローチをしっかり変えて行きそうでそのあたりも注目したいです。
でも壮大なプロローグにはそんなにポイントつかないなぁ...。


多分知らない人が興味本位で観て
ゴジラってすげーの出て来た、こいつはこういう理由でだとか何を現しているのだとか、どんどんゴジラとはを知って行き、
最終的にゴジラ像を確立していく為の作品なんだろうな。
そんな作品に思えた、という小綺麗な感想で締めたいと思います。


 


満足度:★★★☆(5/10)


まぁ...まぁ期待したい。