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カミキユキ(@KamikiYuki)です。 
こんなにも注目があったのか、という感じでしたね。
またもこんなに遅くなってしまいましたけども。


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阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生した1995年、三つのルールに基づく5件の連続殺人事件が起こる。担当刑事の牧村航(伊藤英明)はもう少しで犯人を捕まえられそうだったものの、尊敬する上司を亡き者にされた上に犯人を取り逃してしまう。その後事件は解決することなく時効を迎えるが、ある日、曾根崎雅人(藤原竜也)と名乗る男が事件の内容をつづった手記「私が殺人犯です」を発表し……。
- シネマトゥデイ -


藤原竜也が殺人犯役をやると聞いて


またか。


またクズ役なのか。


予告編観たら救いようのないクズな殺人犯だ。


とばかりに相も変わらず...といった印象を与えるものでした。
とはいえ題材が面白く時効後に犯人が名乗り出て告白本を出す、という内容。そもそもこれは韓国映画殺人の告白をリメイクしたもの。
ぼく自身元となった映画は知っていたけど観てないですね。
韓国映画はこの手のスリラー映画は唯一観たテロ、ライブで高評価なので観ておけば良かったと思いますが、ここまで来たら韓国映画からネタバレ要素を貰ってくるわけにもいくまい!
ということであえて観ない(実際観る暇なかった)


 


監督は入江悠。
昨今では大日本帝国の諜報機関を舞台にしたジョーカーゲーム、太陽光に弱いが高い知能と健康な身体を持つ新人類と旧人類の確執を描いた太陽など。
ジョーカーゲームしか見たことないけど、これはスタイリッシュだけどお堅いルパン三世といった印象で亀梨和也を魅せる映画といった印象、原作は戦時中の世界の背景やもっとしっかりした頭脳戦の作品だったと思います。


主演はダブルでいいのかな?


曾根崎雅人役に藤原竜也
時効を迎えた連続殺人事件の犯人として告白本を出す事で自ら顔を晒した人物。とにかく藤原竜也がクズ役を演じるんだ、と解釈しておけば彼の演じる作品を見ていれば自ずとイメージが湧くと思います。


牧村航役に伊藤英明
同事件を新人時代に担当しており、犯人を捕まえられなかっただけでなく
先輩刑事が被害者となってしまった背景を持つ。
予告編を観ての通り、激情型の人物と捉えておけばいいかな。


岸美晴役に夏帆
連続殺人犯に父親を殺され、それを目撃。
書店で働いており、曾根崎の本を見て怒りをあらわにする。


山縣明寛役に岩松了
連続殺人犯に妻を殺されるところを目撃させられた。
病院院長。


橘大祐役に岩城滉一
クラブのなじみのホステスを目の前で殺された。
橘組の組長で堅気ではない裏ならではの報復を示唆する。


滝幸宏役に平田満
22年前の牧村の先輩刑事であり、最後の事件の被害者。
牧村は彼の死を目撃している。


牧村里香役に石橋杏奈
阪神淡路大震災で住む家を追われて兄牧村航のアパートにやってきた。
22年前の事件を境に行方不明となっている。


小野寺拓己役に野村周平
里香の恋人で共に牧村の元にやってきた。


仙堂俊雄役に仲村トオル
同事件を追っていたジャーナリストでニュース番組のメインキャスター。
曾根崎雅人の生出演を敬遠するなか、真っ先に出演を提案する。


 


以上中心となる人たちはこんなものですかね。
本作は犯人と名乗る謎の男と公的に追う者と、事件の遺族という構図で描かれる為登場人物だけ紹介してもあまりネタバレにならないのがいいですね。
前提に色々散りばめられて紹介が楽だなー。


舞台劇ってくらい凝った演出ではじまった。


個人的にこの手の作品は告白本が出版されることで
藤原竜也演じる曾根崎雅人が新たな事件を起こすお話だと思っていました。
それがいい感じに騙された!
何を騙されたかは本編を観て頂きたい!。


まずオープニングから過去演出がいいですね。
1995年に起こった事件なのでテレビで映る映像がこんな感じだね、ていう。
ノイズが混じった映像。
キャスト紹介も昔ながらのフォント。
捜査本部に映る伊藤英明も若手という感じが出た姿が
当時撮影されたんじゃないかってくらい馴染んでいました。
ここで連続殺人事件の様子が描かれ、事件は時効になった経緯が語られます。


そして、現在
伊藤英明演じる牧村航の姿が現れチンピラを追いかけ回す。
口元に口が裂けたような傷が出来て短髪になりベテラン刑事の風貌に。
チンピラの逃走劇を終えたところで署に戻ります。


そこで始まったのは某所で始まる生放送。
時効を迎えた連続殺人事件の犯人が名乗りをあげるという記者会見。
犯人は部屋が暗転したままで顔を確認出来ないまま、
事件のあらましを過度な演出で語っていく。
いや、記者会見場でこんなに凝った演出しないでしょ?
そして最後に彼の顔にスポットが当てられ、


「私が殺人犯です。」


不敵な笑みを見せる曾根崎雅人を演じる藤原竜也が登場。
告白本を出すという殺人の告白を金儲けにしようという、
いかにもゲスなキャラクターとして出てきました。
彼は何のために世に顔を晒したのか、注目です。


また本作の事件の特徴は
連続殺人の共通しているのは絞殺ということと、
被害者とそれを目撃した遺族または近しい人間がいるという特徴を持っています。
まぁこのあたりは記者会見で語られますね。


正直いうと惜しい!でも藤原竜也だからこそ出来た作品。


藤原竜也が今まで演じていたクズ役が功を奏した。
とでもいいましょうか。みな、藤原竜也はクズな殺人犯を今まで演じてきた、毎回そうだけどそれはそれで新たなクズが生まれてくると思えば期待だ!観に行こう!と思ったことでしょう、それでいいんだ、観に来るんだ!
実際、あの脱力したような声で人を見下し挑発して嘲笑う姿は正にピッタリなんですよ!力入った時に演技も迫力あるけどね。流石藤原竜也。


顔をさらしたことで注目され、被害者家族は怒りを募らせ
曾根崎を殺しに向かってくる。
それを守る同じく身内の刑事を殺されそれを機に妹も行方不明となっている伊藤英明演じる牧村航。この複雑な関係は同じく藤原竜也が囚人を演じ護送中に被害者の刺客に追われる藁の盾を彷彿させます。
更には曾根崎の真意を探ろうとする牧村たちという構図はミュージアムを彷彿とさせますね。特に伊藤英明が演じることで考えるより行動、という激情キャラが板についている。
どんな言葉もネタバレに誘導しかねないので伏せますが、
藤原竜也と伊藤英明から読み取れるエッセンスが完成度を高めていると思いますね。


そういう意味ではこの作品は映画の内容だけでなく、
プロモーションからキャストの演じて来た役柄で
世間がどう注目するかなど様々な要素を考えて狙った作品ですね。
日本の時事問題や法律も含めてこのタイミングだったからこそ出来た作品。
時効の仕組みとか、1995年に起こった事件として扱ったところか。


...だけにですね、
ピークが中盤にあって後半はそうでもないなー
と思ってしまうのが惜しかった。
あの中盤のシーンもっと焦らしてくれても良かったんじゃない?
ちょっと残念だなぁと思ってしまった。
こんなことなら...こんなことなら...(ネタバレになるので言わない)


やっぱり惜しい!けども...


惜しいのはピークの問題だけでなく、
登場人物の強引な関連づけ(特に鉄砲玉になった男)は強引ていうかしつこい割に中身が薄いの。もっと掘り下げたらこのあたりも関連性も深まったかな、と。


それでもこの作品は藤原竜也が殺人犯役じゃないと成立しなかった。
ある種今までのクズ役が演じたことで報われた役ですね。
作中でも曾根崎雅人に狂わされた人々が多く登場します。
銀幕の前のみんなも藤原竜也に狂わされること間違いなし。
みんなね、何年も前から藤原竜也に狂わされてたんだよ。


と言わしめる作品なのでぜひ劇場で!


 


満足度:★★★★☆☆(7/10)