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カミキユキ(@KamikiYuki)です。
毎回名乗ってますが毎回名乗ることだって大事なのです。


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ニューヨーク社交界のトップとして華やかな毎日を送る一方、ソプラノ歌手を目指して活動しているフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)。しかし、その歌唱力は音痴というしかないレベルであった。夫シンクレア(ヒュー・グラント)は、マスコミを買収したり、理解者だけを集めた小規模なリサイタルを開いたりと、病を抱えながらも夢を追う彼女を支えていた。そんな中、フローレンスがカーネギーホールで歌いたいと言い始め……。


- シネマトゥデイ -



感動の実話!


とあるので涙もろいぼくくらいは泣くんじゃないかと思い見てきました。
音痴の歌手を夫が様々な手段を持って隠して支え続ける物語。
愛ゆえに隠し続けるのか、真実を伝えるのか、といった感じですけど。
何を賭しても隠し続ける話なんですね、これ実話なんですね、すげーな。
とりあえず主要人物から紹介していきたいと思います。


フローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)


資産家で音楽業界に支援している。
自身が設立したクラブで資金を集めながらも会員を喜ばす為に催し物を行っている。
歌唱力はオンチだが自身で気付いていない。
過去前夫の影響で病弱な身体となってしまっている。


シンクレア・ベイフィールド(ヒュー・グラント)


フローレンスの内縁の夫。
フローレンスのマネージャー的な立場で彼女を支えている。
貴族の出だが、嫡子ゆえにアメリカで舞台役者となり上手く行かず今の立場となる。
フローレンスも了承している別のガールフレンド、キャサリンと暮らしている。


コズメ・マクムーン(サイモン・ヘルバーグ)


お人好しのピアニスト。
穏やかな楽曲を披露したことでフローレンスに気に入られる。
ステーキ屋で演奏するピアニストでいずれは大きな舞台という野心を抱いているが、
次第にフローレンスの人柄に惹かれシンクレアと共に支えていく。


以上の3名が主なキャスト。
他にもフローレンスのメイドとか愛人キャサリンとかスターク夫妻とか...


明るさと笑いに満ちてる


総評すると普通だったのですが
フローレンスの音痴な歌声や各キャラクターの反応にクスクスきてしまう。
彼女の歌声に笑いをこらえるように観ている側もこらえてしまう状況。
周りを喜ばそうとする姿勢から最初は笑っていた人も応援したくなる、そういう人物だったと感じる作品でした。
演じるメリル・ストリープも元々歌が上手い人だけど、オンチであることは強調してた。原曲の全体像まで理解してなかったのであえて外してるところしか分かりませんでしたが、そもそも上手い人が下手に歌うって難しいと思うんですよね...。


シンクレアヒュー・グラントがジェントルに演じました。
彼の見せ場はダンスシーンじゃないかと思うわけですが、終盤までどうしても本当にフローレンスを愛しているのかなぁと思ったものですが、次第に全てが彼女に対する気遣いと夢の為なんだな、と理解出来ました。


マクムーンサイモン・ヘルバーグが演じているのですが、
ピアノ伴奏は全て本人によるものだそうです。すげぇな。
この資産家夫婦に巻き込まれるお人好しで可哀想な人ですが、フローレンスと関わる事で惹かれて支えるようになっていく。彼自身表情豊かで鑑賞するぼくたちは彼の目線で観るのがよさそうだな、とあとから思いました。


この映画で伝えたかったことと文化の壁


観ている時には気付かなかったけど
こうやって言葉にしてみるとフローレンス・フォスター・ジェンキンスという女性は絶望的な音痴だったけど、自信にあふれ夢に向かってひたむき、周りの者を喜ばせることの出来る人物だったのだと感じます。


それゆえに勿体ないのはそれを理解して観れないこと。
まずフローレンス・フォスター・ジェンキンスという女性を知らないことに尽きますね。あと日本文化とアメリカ文化の感覚や、資産家たちと庶民の感覚の違いでしょうか。これらの感覚に追いつくのに必至で...あとは邦画というか昨今の日本作品に触れすぎてしまったせいか変に疑ってかかることです。
アメリカではまた違う感覚で評価も違いそうな作品だと思いました。


また夫婦の愛音痴の歌姫がいかにして成功したのか...
といったコピーが強調されていますが、実際のところ一番伝えたかったのは彼女は夢にひたむきで彼女の人柄は周りの人に愛されていたことだと思うんですね。もちろん、シンクレアのフローレンスに対する愛も分かったけどさ。
中途半端に伝わってしまって感動というほどでもなかった、ゆえに残念でならない。


フローレンス・フォスター・ジェンキンスとは


鑑賞後に彼女について調べてみました。
というのも内縁の夫は実際に彼女を愛していたのか
という日本作品に触れすぎたゆえに邪推な考えばかり浮かぶのですね。
夫の目的は金じゃないか、という。


そのつもりで調べてみたら驚きです。
夫であるシンクレア・ベイフィールドについての記述がほぼないのです。
あくまでネットで調べた内容ですので全てに確証は得られません。
調べたところが二次三次と転載された情報ばかりの可能性もありますが、
むしろそれ以外の情報も出てこないのでなんとも。
だからシンクレアが様々な人物を買収していた事実すら出てこない


それ以上にフローレンスは映画よりは早くに自身の音痴に気付き
それでも自信を持って歌っていたし、観客を喜ばせていたといいます。
また、戦時中ということもあり国民は彼女の明るさに惹かれた、楽しさを提供してくれたことで評価していたといいます。映画でもこのあたりを強調して欲しかったと思います。
正直、愛の形や資産家の金の道楽にしか見えないような文化の違いにどれほどの日本人が共感を覚えるのか怪しい。合わなかったからとすぐ離婚して互いに連れ子がいる男女で再婚すると言ったアメリカならではの文化と同様に共感されづらいでしょう、6才のボクが、大人になるまで。のような男女の価値観のようにね。



また劇中で登場した遺書ですが、
フローレンス亡きあとに謎の紛失により履行されなかったという話です。
関係者との間で泥沼の争いがあったとか...これはフローレンスが話した相手の中での話でしょうか。
パンフレットにもう少し史実が隠されていそうなので読んで記事になりそうなら続報として書いてみたいと思います。