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カミキユキ(@KamikiYuki)です。 
12月となると本当に肌寒くなってきました。
昨年の今頃は雪とか降っていた覚えがありますが、まだ初雪もないですね。
今回はベストセラーにもなった海賊とよばれた男のレビューです。


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敗戦後の1945年、東京。石油会社・国岡商店を率いる国岡鐵造(岡田准一)は、日本人としての誇りを持ち復興に向け突き進もうと従業員を激励する。戦後の混乱期にもかかわらず誰も解雇せず、独自の経営哲学と行動力で事業を広げていく。やがて欧米の石油メジャーも国岡を警戒し、その強大な包囲網により同社の石油輸入ルートは全て封鎖されてしまうが……。


- シネマトゥデイ -



書籍として販売されていた頃から気にはなっていた本作。
ぼくの父が結構な読書家で、文庫化された本を片っ端から読んでいく人。
すぐに読んでしまってそのまま買い取りに出してしまいましたが、話題にあがった作品でした。ちょっとこじらせた人でもタイトルから買ってしまいそうですものね。
でも、実際パイレーツオブカリビアンだとかワンピースの流れを想像する人は稀だと思います。思ってもすぐに踏みとどまって欲しい。


本作は出光興業創業者の出光佐三をモデルにしており、
国岡鐵造国岡商店が戦時中から戦後まで大企業へと成長していく作品です。
描かれている事実は大体史実に基づいているようです。


永遠の0山崎貴監督と岡田准一のコンビで送る作品として話題になっていました。
ぼくは山崎監督作品は半分くらいは観てるかな。永遠の0は観てないけど。


岡田准一主演映画なんてSP以来だわ。
と思ったら図書館戦争がありました。
どうしても榮倉奈々が目立つので助演なのに忘れていた。


まず山崎貴監督。
基本的にVFXを駆使した映像作品でキャリアを積み上げてきた人。
初監督作品ジュブナイルは少年少女と未来から来たロボットとの絆を描きながら攻めてくる宇宙人との対立を描く一夏のSF。続くリターナーも宇宙人が攻めてきますがそれを阻止すべく人間同士の戦いを描く、どちらもSF要素を演出するためにVFXを利用した作品づくりでした。
そこからALWAYS 三丁目の夕日の高度経済成長期の日本の再興する姿情緒あふれる街並み、果てはキャラクター演出の為にVFXを利用。
このあたりから創造する「ない」ものではなく、今はもう「ない」ものを演出するようになりました。ただ成りを潜めるのは原作ありきの作品増えてきたなぁ。
因みに最近実写化したには良い出来だったと思う寄生獣。原作読んでないけど前編後編共に楽しめました。個人的には橋本愛ちゃんとのベッドシーンは要らなかった。というか必要だった?まぁ貴重だったけど。


続いて主演の岡田准一
V6の最年少メンバーというアイドル業からバラエティ、俳優業まで多彩。
印象的なのはドラマシリーズから劇場版まで盛り上がったSP
要人の警護という一見地味なSPを要人警護の枠を越えて犯人を捕まえてしまう井上薫を演じ、派手なアクションに魅了されました。
そののちも図書館戦争シリーズで主人公の上官役で出演、続編ではほとんどアクションしてなかった気がするので忘れてました。
本作では石油を生業とする国岡商店店主、国岡鐵造を演じます。


他にも染谷将太、吉岡秀隆、綾瀬はるか、小林薫、堤真一、など出演。
ほぼ山崎ファミリーですね、過去監督作品にでている人たち。


吉岡秀隆が森本レオに見えてきた...。


 


 


では、さっそく感想にいこうと思います。


 


 


詰め込みすぎたエピソードに涙を押しとどめる勿体ない映画


ぼくのレビューは結構マイルド(のはず)
なので酷評してるところはとことん酷評してるな。
この原作上下巻というボリュームなんですが、 どうしても2時間と少しじゃ足りないんですよね。と思うのも各エピソードが薄いのです。


泣きそう!


というところでもあっという間に終わるし、
そこまでキャラクター掘り下げないし...
なので涙を押しとどめてしまう


例えば染谷将太演じる長谷部喜雄は漁師だったところ、
鐵造に惹かれて国岡商店に新人として入った人物。
彼は新人ながら積極性を気に入られたのか、鐵造の付き人として行動して海外進出の中心人物として活躍していくのですが、彼に関してあまり語られないんですよね。
あとで調べてみるとこの人物、映画オリジナルの人物でモデルはいないようです。
の割には何か物足りないですね...。


まだ実在のモデルのいる吉岡秀隆演じる東雲忠司のエピソードが濃いです。
彼もまた長谷部と共に国岡商店に新人として入りますが、社を救う仕事に従事して中心人物になっていきます。石油の仕事がしたい一心であることは伝わってきました。
鈴木亮平演じるGHQ通訳で元陸軍中野学校教官武市甲太郎ピエール瀧演じる元海軍大佐、藤本壮平も強烈に印象に残る人物として描かれました。


そして主演である国岡鐵造演じる岡田准一
20代60代90代全てを演じた彼ですが、少なくとも90代を演じる必要はあったのか。
一貫して熱い男というのは伝わってきた、外国石油企業に対抗する為に大胆な行動をしていく様が描かれましたが、どうも勢いばかり強調されている気がします。
満州を手始めに海外に足を伸ばしていきますが、実際は未来の展望から指針を決めたり、どう対抗するか具体的な策があったはずなのです。少なからずセリフで読み取れますが、その後は勢いまかせ。
とはいえ、彼自身が悪いというわけでもなく年代別に演じ分けられているし、熱い男であることは伝わってきました。
...熱い男としか言ってないな。


最終的に前妻である綾瀬はるかが演じたユキのフィーチャー。
ここまで強く出すキャラクターだったのかなぁ...
のちに後妻との子どもたちは出てくるのに後妻出てこないの?とか思ったり。
ちょっと不憫に思ったね。


感動の押し売りまでは行かなかった


山崎貴×百田尚樹×岡田准一で感動の押し売り!
という言葉をよく聞きます。


ここ泣かせに来たよ!さあ泣いて!


...みたいな。
永遠の0観てないのでなんとも言えないけど、
たぶんこの作品はそこまでじゃないんだと思うんです。


意図的に泣き所ですよ、と用意してるんですけど
なんとなく気付いたら泣いてね
みたいな感じが伝わってくるんですよね。
時代背景とかそれによって当時の人たちがどう感じていたか、
とか少し想像しないと分からない、
いやどの作品も理解も感情移入もないと泣けないと思うんですけど。


といいつつ涙もろいぼくは泣いたけどね。
もうどのシーンだったかは覚えてないけど。


まとめ


以上、なんか書いてみるとグチグチ書いてる気がしますが
全体的にはまとまった話だったのではないかと。
日本はすごいぞ!とか精神論強めなので年配の人の受けがいいのかな。
若い人はあまり受けないかも。
やっぱり山崎監督、最近の脚本泣きに走らせているので
原点回帰してSFものでも書いて欲しいなぁ...それか一度監督専業で。


ちなみに広島のぼくの行った劇場では2日目で多くの人が観に来ていました。
劇場のスタッフの方もそのように話していましたので。