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リーマン・ショックという言葉に聞き覚えはあるでしょうか。
ぼくらの世代には呪いのような言葉です。
2008年に起こったリーマン・ブラザーズの破綻により
日本でも不況の波に突入しました。
88年生まれのぼくらでさえ、これの煽りを受けました。
情報学部を専攻していて就職率90%はあったぼくの大学でさえ
当時水増しした数字でも70%程度だったのを覚えています。


この映画はそれを予期して賭けに出た投資家たちの実話です。


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2005年のアメリカ。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機を指摘するもウォール街では一笑を買ってしまい、「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引で出し抜いてやろうと考える。同じころ、銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略を知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)らを巻き込み……。


- シネマトゥデイ -



 


この手の映画は鑑賞前に2つの考えがよぎります。
一つ目は金が絡むかつ苦境からの展開は最後に爽快感のある逆転を見る。
二つめは「華麗なる大逆転」とかあるとそうでもないんじゃない?*1
それでも実話ベースの映画は最近面白いのが多いので。
アメリカンスナイパーしかり、イミテーションゲームしかり
フォックスキャッチャーはまだ観てないな...


4人の登場人物がメインです。
今回も良い感じに並んだ画像があるのでこちらから。


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マイケル・バーリ(クリスチャン・ベール) ※左上
ヘヴィメタルを愛する変人トレーダー。
住宅市場の崩壊を真っ先に予期し大きな賭けに出る。


マーク・バウム(スティーブ・カレル)※左下
強い倫理観を持つヘッジファンドマネージャー
正義感が強いともとれる、常に怒ってる。
ジャレドの話から住宅市場の裏を取り始める。


ジャレド・ベネット(ライアン・ゴズリング)※右上
ドイツ銀行の若き銀行員
マイケルの奇行にいち早く気付き様々な投資家に声をかけマークと取引をする。


ベン・リカート(ブラッド・ピット)※右下
一戦を退いた金融界を知る人物。
偶然手に入った情報を若手トレーダーより受けて共に一石投じる。


 


 


今回の実話映画は内容からすれば忠実にしようとしたドキュメンタリー。
原作はマイケル・ルイスの「世紀の空売り
実際全部が全部史実通りかは分かりませんが、ありのままですね。
実話を元にしているとは言え、
中にはマークのようにモデルがいるだけで実名ではない人もいるようです。
ちなみにマイケル・バーリ本人も劇中に少し登場しています。


コメディタッチにしあげた本作ですが
金融関係の専門用語はある程度理解しないとついていけません。



このあたりの用語は必須でしょう。
公式サイトに少し用語説明はあります。



劇中色々面白く例をあげて説明してくれますが、1回しかないので。
説明は各所でそれだけの為に


音楽を随所に上手く使っていて、当時流行った曲なども
当時のアメリカを振り返るような演出で流れていきます。
日本の曲もどこかにあった...気がします。


サブタイトルにある「華麗なる大逆転」ですが
いうほどの大逆転ではないのは予想通り。
これを読んで痛快な逆転劇映画と思うなら改めた方が良いです。
のちのぼくらが知る通り世界の経済をどん底まで落とした結果。
彼らの賭けは大規模な失職、就職難、人々を路頭に迷うことに賭けたと同義。
ハッピーエンドと思えない幕引きでした。


それでも随所にコミカルな演出やセリフ回しにクスッときてしまう。
ジャレドの部下の扱いが一言一言ニヤッとしてしまいますね。
ジャレドたちのバブル崩壊の流れの説明も面白い。


とにかく
専門用語は理解している方が楽しめる。
なんとかついていける人はエンタメ的に笑えたけど笑えない話でした。
金融業界に興味を持てる作品だったのは確かですね。


これを観て経済に興味があれば手軽に始められるFXから始めてみたらどうしょう?



 


 


原作はこちら 



*1:チャーリー・モルデカイをひきずってます。